カテゴリー「特許」の26件の記事

2009年11月 2日 (月)

特許・実用新案 審査基準のハイパーテキスト化

こんばんは。弁理士の藤野です。前回の更新から、2ヶ月も空いてしまいました(汗)。

さて、今回は、本日より特許庁のWebサイトで公開が開始された特許・実用新案 審査基準のHTML版についてご紹介します。

「特許・実用新案 審査基準」とは、特許出願等の審査が一定の基準に従って、公平妥当かつ効率的に行われるように、特許法等の適用についての基本的な考え方をまとめたものとされ、従来から公表されて、審査官のみならず、特許庁における実務の理解等のため、出願人等にも広く利用されてきております。

従来より、特許庁のWebサイトでも、pdf版が公開されておりましたが、本日からは、それと併せて、HTML版が公開されるようになりました。

HTML版では、その特性を生かして、審査基準の各項目、そして、引用されている法令や裁判例へのリンクが張られており、pdf版等と比べて、関連事項の参照が容易となっております。

ざっと見たところ、まず、法令については、原則として、総務省が提供する法令データ提供システムへのリンクとなっていますが、同システムでは省略されている様式については、別途ページが用意されております。また、裁判例については、従来参照が容易ではなかったものも、有料データベースから提供を受けて参照できるようになっています。これらの点は、従来のpdf版等に比べて、非常に優れている点と思われます。

なお、「特許・実用新案 審査基準」はハイパーテキスト化の制約等により、pdf版と異なる表示がなされる場合があるようで、pdf版と表記が異なる場合には、pdf版が優先されるとのことです。

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2009年4月13日 (月)

不服審判請求期間の拡大(その9)

こんばんわ。弁理士の藤野です。

さて、今日も、平成21年4月1日から適用が開始された「不服審判請求期間の拡大」についてのご紹介の続きです。

特許法、実用新案法及び意匠法では、相互に出願の変更を認める規定が設けられております。すなわち、特許出願は、実用新案登録出願又は意匠登録出願に変更することができますし、実用新案登録出願は、特許出願又は意匠登録出願に変更することができますし、意匠登録出願は、特許出願又は実用新案登録出願に変更することができます。但し、これらの変更ができるのは、一定の期間内に限られます。

この変更可能な期間ですが、まず、特許出願を実用新案登録出願に変更する場合は、これまで、以下の2つの条件に該当する期間に限られておりました。
  1. その特許出願について最初の拒絶査定の謄本の送達があつた日から30日を経過する前(30日経過後は変更不可)
  2. その特許出願の日から9年6か月を経過する前(9年6か月経過後は変更不可)
上記2つの条件のうち、今回の改正法の施行で変更があったのは、1番目のもので、平成21年4月1日以降に最初の拒絶査定の謄本が送達されたものについては、1番目の条件中の「30日」が「3か月」に拡大されており、最初の拒絶査定の謄本の送達があつた日から3か月経過する前(かつ、その特許出願の日から9年6か月を経過する前)であれば、変更が可能になっております。

すなわち、特許出願を実用新案登録出願に変更可能な期間についても、分割可能な期間同様、拒絶査定不服審判を請求可能な期間にあせて、拡大(延長)されております。

同様に、特許出願を意匠登録出願に変更可能な期間も、これまで、その特許出願について最初の拒絶査定の謄本の送達があつた日から30日を経過する前に限られておりましたが、平成21年4月1日以降に最初の拒絶査定の謄本が送達されたものについては、最初の拒絶査定の謄本の送達があつた日から3か月経過する前まで、変更が可能になっております。

なお、意匠権の存続期間の起算日は、登録日であって、(実用新案登録出願のように)出願日ではありませんので、意匠登録出願へ変更可能な期間には、出願日を基準とした条件(実用新案登録出願に変更する場合の2番目の条件に相当するもの)は存在しません。

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2009年4月10日 (金)

不服審判請求期間の拡大(その8)

こんばんわ。弁理士の藤野です。

さて、今日も、平成21年4月1日から適用が開始された「不服審判請求期間の拡大」についてのご紹介の続きです。

前回ご紹介しましたように、平成21年4月1日以降に最初の拒絶査定の謄本が送達された特許出願については、以下のいずれかの時期に限って分割することができます。
  1. 願書に添付した明細書等について補正をすることができる時又は期間内にするとき
  2. 特許すべき旨の査定(拒絶査定不服審判請求後のものを除く)の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき
  3. 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3か月以内にするとき
なお、下線を付した部分が、今回の改正法の適用で変更のあった部分です。1番目の時期に、「時又は」が追加されたのは、「不服審判請求期間の拡大(その1)」で述べましたように、今回適用が開始された平成20年改正法において、補正ができる時期として、「審判請求と同時にするとき」という「期間」の概念に馴染まないものが設定されたことによります。

また、上記分割可能時期(のすべて)が適用されるのは、平成19年4月1日以降に出願されたものに限られます。同日より前に出願された特許出願については、1番目の時期に限って、分割することができます。これは、平成18年法改正(平成19年4月1日施行)前は、願書に添付した明細書等について補正をすることができる期間内に限って特許出願の分割が認められており、2番目及び3番目の時期に対応する規定は、平成18年法改正で導入されて、平成19年4月1日以降に出願されたものに限って適用されることとされたからです。

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2009年4月 9日 (木)

不服審判請求期間の拡大(その7)

こんにちは。弁理士の藤野です。今日の午後は、日本弁理士協同組合の研修に行く予定ですので、早めの更新です。

さて、今日も、平成21年4月1日から適用が開始された「不服審判請求期間の拡大」についてのご紹介の続きです。

特許出願人は、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすること(いわゆる特許出願の分割)ができますが、この特許出願の分割は、一定の時期に限って認められております。

この分割可能な時期ですが、これまでは、以下のいずれかの時期に限られておりました。
  1. 願書に添付した明細書等について補正をすることができる期間内にするとき
  2. 特許すべき旨の査定(拒絶査定不服審判請求後のものを除く)の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき
  3. 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき
上記3つの時期のうち、今回の改正法の施行で実質的な変更があったのは、3番目のもので、平成21年4月1日以降に拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本が送達されたものについては、当該謄本の送達があつた日から3か月以内であれば、分割が可能になっております。すなわち、拒絶査定不服審判を請求可能な期間にあせて、分割可能な期間も約3倍に拡大されております。

なお、前述しましたように、実質的な変更があったのは3番目のものだけですので、上記2番目の分割可能時期、すなわち、特許査定後の分割可能時期については、謄本送達日から30日以内ということで変更はありません。

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2009年4月 2日 (木)

不服審判請求期間の拡大(その2)

こんにちは。弁理士の藤野です。

さて、今日は、前回に続いて、昨日(平成21年4月1日)から適用が開始された「不服審判請求期間の拡大」についてご紹介します。

前回も述べましたように、平成21年4月1日以降に拒絶査定の謄本が送達された特許出願について、明細書等の補正を行う場合は、審判請求と同時に行う必要があります。

この「審判請求と同時に」という要件を満たすためには、具体的には、どのように手続をすればよいのでしょうか。

特許庁のWebサイトに掲載されている「不服審判請求期間の拡大に関するQ&A」によると、手続の種類毎に、以下のように手続する必要があるとされています。
  1. 書面を特許庁窓口に差し出す場合:
    審判請求書と手続補正書とを一回の窓口対応で提出。
  2. 書面を郵送等により提出する場合:
    審判請求書と手続補正書とを同一封筒で送付。
  3. オンライン手続の場合:
    審判請求書と手続補正書とを「連続して入力」。具体的には、審判請求書と手続補正書の送信ファイルを〔送信ファイルフォルダ〕に格納し、これら全ての送信ファイルを選択(反転表示)し、その状態で〔オンライン出願〕ボタンをクリックする。
このように、特許庁では、法文上の「同時に」を厳格に解釈しておりますので、実際に手続をする場合は、注意が必要です。

もし、間違えて、同時の要件を満たさないような形で手続を行ってしまった場合、例えば、審判請求書と手続補正書とを「同時」ではなく、「同日」に提出してしまった場合は、通常は、再度、「同時」の要件を満たす形で審判請求書と手続補正書とを提出し、先の審判請求は取り下げることになると思います。

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2009年4月 1日 (水)

不服審判請求期間の拡大(その1)

こんばんわ。弁理士の藤野です。

さて、今日は、改正法の施行に伴い、本日(平成21年4月1日)から適用が開始された「不服審判請求期間の拡大」についてご紹介します。なお、いくつかの要素が含まれていますので、複数回に分けてご紹介する予定です。

特許出願、意匠登録出願及び商標登録出願については、審査の結果、拒絶査定を受けた場合、その査定に不服がある出願人は、拒絶査定不服審判を請求することができます。この拒絶査定不服審判を請求できる期間は、従来は、拒絶査定の謄本の送達があった日から30日以内であったのですが、本日以降に拒絶査定の謄本が送達されたものについては、拒絶査定の謄本の送達があった日から3か月以内となり、請求可能な期間が、約3倍に拡大されました。

また、特許出願については、拒絶査定不服審判請求をする場合、明細書等の補正が行えます。その補正が可能な期間は、従来は、審判請求日から30日以内であったのですが、本日以降に拒絶査定の謄本が送達されたものについては、審判請求と同時にするときのみ、行えるようになりました。従来は、拒絶査定の謄本送達日から最大60日間(=審判請求可能な期間+補正可能な期間)、補正をすることできたのが、本日からは、拒絶査定の謄本送達日から最大3か月間(=審判請求可能な期間)できるようなったので、補正可能な期間が拡大されたと考えることもできますが、審判請求と同時にしかできなくなりましたので、ある意味使いづらくなった部分もあります。

「審判請求と同時」の意味については、次回説明する予定です。

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2009年3月31日 (火)

審査請求料の納付繰延制度

こんばんわ。弁理士の藤野です。今日突然、超急ぎの仕事が入ってきて、ちと焦り気味です(汗)。

さて、本日は、明日から導入される審査請求料の納付繰延制度についてご紹介します。

審査請求料は、本来、特許出願の審査請求と同時に納付する必要がありますが、明日(平成21年4月1日)からは、出願審査請求書において納付繰延の意思表示をすることにより、出願審査請求書の提出日から1年間、その納付を繰延することができるようになります。

本制度は、昨今の景気の急速な悪化を受けて、企業等の資金的な負担を軽減するための緊急的な措置として設けられたものです。そのため、現時点では、平成21年4月1日から2年間に限って実施される予定となっております。

本制度を利用するためには、出願審査請求書において、1.【手数料の表示】の欄を設けず、2.【その他】の欄を設けて「審査請求料は納付繰延する。」と記載する必要があります。

なお、本制度は、他人の特許出願に対して審査請求を行う場合には利用できません。また、1.早期審査の申請をする場合や、2.国際調査手数料の一部返還を希望する場合は、審査請求料を納付する必要があります。

更なる詳細につきましては、特許庁のWebサイト(「審査請求料の納付繰延制度について」)をご参照願います。

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2009年1月 5日 (月)

特許出願の共通出願様式

あけましておめでとうございます。弁理士の藤野です。
本日から、ブログの更新を再開します。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、平成21年1月1日から特許出願(及び実用新案登録出願)の様式が少し変更されておりますので、今日は、それについてご紹介します。

平成19(2007)年11月に、日米欧の三極特許庁が、三極いずれの特許庁にも共通して特許出願することができる共通の明細書等(明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面)の様式(共通出願様式)について合意しました。その共通出願様式が、今年の1月1日から実際に適用されることとなり、今後は、原則として、共通出願様式による出願をすることにが必要となりました。

昨年までの出願様式(旧様式)と共通出願様式(新様式)との違いは、以下の通りです。
  • 書類の順序の変更
    旧様式では、「特許請求の範囲」、「明細書」、「図面」、「要約書」の順でしたが、新様式では、「明細書」、「特許請求の範囲」、「要約書」、「図面」の順になります。
  • 明細書の見出し名の変更
    • 旧様式における「発明の開示」が、新様式では「発明の概要」となります。
    • 旧様式における「発明を実施するための最良の形態」が、新様式では「発明を実施するための形態」となります。
  • 明細書の見出しの追加
    • 新様式では「先行技術文献」の見出しが追加されました。
    • 新様式では「受託番号」の見出しが追加されました。なお、「受託番号」の欄には、微生物の寄託を行う際に付与される受託番号を、必要に応じて記載します。
  • 明細書の見出しの順序の変更
    旧様式では後ろの方にあった「図面の簡単な説明」が、新様式では「発明の概要」と「発明を実施するための形態」の間に移動されました。
なお、ここでは、特許出願を例に違いを説明しましたが、実用新案登録出願についても旧様式と新様式との間に同様の違いが存在します。

更なる詳細につきましては、特許庁のサイト(「共通出願様式の受付開始について」)をご参照願います。

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2008年12月 4日 (木)

特許無効審判の審理期間

こんばんわ。弁理士の藤野です。昨日、受講した研修会が特許無効審判に関するものでしたので、今日は、特許無効審判の審理期間について書いてみます。

特許は、審査官による審査を経て、付与されるものですが、実際問題として、本来であれば、付与されるべきではなかったものについて特許が付与されるケースが存在します。このような瑕疵(かし)のある特許を存続させるのは望ましくありませんので、このような特許を無効にして、特許権を遡及的に消滅させるための手段として、特許無効審判が存在します。

以前は、特許無効審判を請求できるのは、利害関係人に限られていましたが、特許異議申立制度の廃止に伴い、現在では、原則として、誰でも請求することができるようになっています。

では、特許無効審判が請求されてから結論が出るまで、どの程度の時間がかかるのでしょうか。手元の資料(特許庁審判部「審判の現状と運用 平成19年度」)によると、特許無効審判(実用新案登録無効審判を含む)の平均審理期間は、1997年時には、20か月を超えていましたが、順次短縮化がされてきて、2006年時には10.8か月と、1997年時の約半分にまでなってきております。

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2008年9月19日 (金)

ビジネス関連発明の最近の動向

こんばんわ。弁理士の藤野です。今日は、先日受けた人間ドックで引っかかってしまったため、大腸鏡検査を生まれて初めて受けてきました。検査の結果は、特に問題なしということで、その点は一安心だったのですが、検査中に腸内に送り込まれた空気がなかなか抜けず、検査中のみならず、検査後もしばらく苦しかったです。そんなこともあって、今日も更新が遅くなってしまいました(汗)。

さて、本日、特許庁のWebサイトを見ると、「ビジネス関連発明の最近の動向について」を更新したとありましたので、今日は、この中からいくつかのデータをご紹介したいと思います。

まず、ビジネス関連発明の特許査定率ですが、2003年~2006年では、8%だったものが、2007年には15%程度にまで向上しています。但し、全分野の平均は、50%程度なので、それでもかなり低いことには変わりありません。

次に、拒絶査定になった場合の拒絶査定不服審判請求率ですが、2004年以降、20%を下回っており、2007年には16%程度にまで下がってきております。なお、全分野の平均は、約20%なので、この点では、他の分野とあまり違いはないという見方もできると思います。

最後に、拒絶査定不服審判の請求成立率ですが、2002年に10%程度ということもありましたが、2003年以降は、20%前後に落ち着いているようです。一方、全分野の平均は、2007年で45%程度となっています。

いずれにしても、データ的には、ビジネス関連発明について特許を受けるのはかなり難しいということになります。但し、単に、特許性の低い出願が多数されているだけという見方もできますので、ビジネス関連発明だから特許を受けることが必然的に困難ということには必ずしもならないかもしれません。

「ビジネス関連発明の最近の動向について」の更なる詳細については、特許庁のWebサイトをご参照願います。

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